NHKを見ていたところ、母乳ドナーについてのニュースがありました。
確か入院中もそのドナーについてポスターをみたと思い、興味を持って調べてみました。
そもそも「母乳ドナー」とは
母乳ドナーというのは、簡潔にいうと「未熟児に母乳を与えられないお母さんの代わりに、母乳を提供する仕組み」のようです。何故母乳が必要としているのか、理由及び目的は下記の通りです。
生まれたときの体重が1,000グラムに満たない未熟な赤ちゃんが助かる時代になりましたが、そんな赤ちゃんたちの生死にかかわる壊死性腸炎(腸の一部が壊死してしまう病気)は、粉ミルクで育てたときよりも母乳で育てたときのほうがかかりにくいことがわかっています。
ほとんどのお母さんは母乳だけで赤ちゃんを育てられるといわれていますが、なんらかの理由で母乳が出ない、または、出ても赤ちゃんにあげられないお母さんもいらっしゃいます。そのような場合でも、生まれてきた赤ちゃんには最善の栄養を与えられるようにしたい――それは医療者・ご家族みんなの共通の願いです。そのためには、母乳がたくさん出るお母さんから母乳を提供してもらい、その母乳を低温殺菌処理したうえで、必要な赤ちゃんに提供する施設が必要です。
日本母乳バンク協会
つまり、特に未熟な赤ちゃんが病気せず育つために、母乳が出せない母親に代わって母乳が提供してもらえるように活動している団体であり、母乳ドナーは母乳提供者のことを指します。
母乳ドナーになるための条件
では、母乳ドナーになるためにはどうしたらいいのでしょうか。
ご自身のお子さんに与える母乳が最優先されます。つまり、お子さんが必要とする以上に母乳が出ることが必要です。
これまでに輸血や臓器移植を受けていないことが必要です。これは献血をするときと 同じです。
血液検査の結果に異常がないこと(HIV1/2、HTLV-1、B型肝炎、C型肝炎、梅毒のスクリーニング検査がすべて陰性)が必要です。
ドナー登録前6か月以内に行った検査結果は有効です。検査を受けてから7か月以上経過していたら、あらためて血液検査を受けていただく必要があります。この場合、検査費用は母乳バンクが負担します。
過去3年間に、白血病やリンパ腫など悪性腫瘍の治療歴がないことも必要です。
(このような状況であるからといって、ご自分のお子さんに母乳をあげられないという訳ではありません。)
※少なくとも3回以上(目安として計2リットル以上)母乳を提供していただける方。
※ご登録可能な時期は、産後1か月健診を終えて落ち着いてからになります。
ご不明な点はお問い合わせください。
※なお、ゴミの混入が多い・細菌数が基準以上の状態が続く際は、ご連絡を差し上げることがございます。
少しも改善が見られない場合は、母乳の提供を終了とさせていただきます。
※人工乳(粉ミルク)を使用されている場合は、ドナー登録をご遠慮いただいております。
「ドナーミルクとしての基準」で、人工乳は一切与えていないうえで余剰分の母乳を提供できることが必要となります。
また、離乳食を始められた場合は、離乳食と母乳のみで育てていることが必要です。
(お子様が入院されている等のご事情がある場合は、お問い合わせください)
日本母乳バンク協会
血液検査上問題なく、健康的であり、完全母乳で育児をしていて、母乳が余っていることが条件のようです。
その他の条件として、ドナー登録を日本母乳バンク協会に登録後、直接下記施設に訪問できることが条件となります。
都道府県 | 施設名称 |
---|---|
北海道 | のえる小児科(札幌市豊平区月寒東3条17-1-20) |
茨城県 | つくばセントラル病院(牛久市) |
東京都 | 国立成育医療研究センター 昭和大学病院(品川区旗の台) 仲村医院(目黒区五本木) 東京都立小児総合医療センター(府中市) 日野原記念クリニック(港区三田) |
神奈川県 | かるがも藤沢クリニック 昭和大学横浜市北部病院(横浜市都筑区) そがこどもクリニック(センター南駅) |
愛知県 | 緑の森こどもクリニック(岡崎市) 藤田医科大学 あかね医院(豊田市) |
兵庫県 | 古賀小児科(尼崎市) |
京都府 | ハシイ産婦人科(京都府向日市寺戸町) |
奈良県 | 奈良県立医科大学 |
香川県 | 香川大学病院(木田郡三木町) |
長崎県 | 長崎県 長崎大学病院 |
母乳を与えている人はどれくらいいるのか
完全母乳(母乳育児)をできる人はどれくらいいるのでしょうか。
厚生労働省の統計では、完全母乳(母乳育児)の割合は下記の通りです。
回答項目 | 生後1ヶ月 | 生後3ヶ月 |
母乳育児 | 51.3% | 54.7% |
混合育児 | 45.2% | 35.1% |
完全ミルク育児 | 3.6% | 10.2% |
混合育児まで入れてくれたら、もっとドナー数が増えそうですが、まずは自身の赤ちゃんの健康のためと言われてしまうと、仕方がないですね。
私はまだやっと自分の子どもが産まれて1ヶ月くらいで、かつ混合育児なので、ドナーとして棒にも箸にもかかりませんが、ご興味のある方は検討してみてください!
参考サイト①:https://jhmba.or.jp/donate.php(日本母乳バンク協会)
参考サイト②:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000134460.pdf(平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要/厚生労働省)
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